厩務員には日本中央競馬会(JRA)の厩務員と地方競馬全国協会(NAR)の厩務員と2パターンあります。
NAR厩務員は就職する際に、採用試験や採用条件がほとんどなく、未経験でも応募して厩舎の目に止まれば就職できる場合が多いです。
しかし、JRA厩務員になるには様々な条件や試験をクリアしなければなりませんので、かなり険しい道のりです。
ですので今回は難易度の高い、JRA競馬調教師になるまでの道のりを紹介させて頂きます。
JRA厩務員とは
JRA(日本中央競馬会)は中央競馬を主催する団体です。全国各地にある10ヵ所の競馬場(函館、札幌、福島、新潟、中山、東京、中京、京都、阪神、小倉)で開催されるレースは、すべてJRAが運営しています。
この中央競馬場でのレースに出場する競走馬のお世話や管理を担当している厩舎スタッフがJRA厩務員です。
JRA厩務員の詳細はこちら↓


JRA厩務員になるまでの流れ


JRA厩務員になるためにはJRA競馬学校厩務員課程を卒業する必要があります。これは絶対条件です。
そして、競馬学校の全過程を終えて採用試験に合格できれば、晴れてJRA厩務員となるわけです。
また、競馬学校に入学するには様々な応募資格があり、試験も難易度が高いので、入学することは簡単ではありません。
おおよその流れは上の図を確認して下さい。
JRA競馬学校(厩務員課程)に入学しよう


上の図でもあるように競馬学校の試験を受けにくる人の立場は様々で、
- 一般
- 未経験に近い人
- 専門学校
- 試験に向けた実技と知識を学んで来た人
- NAR(地方競馬)の厩務員
- NAR厩務員で経験を積み、JRA厩務員を目指す人
- JRA調教師からの推薦
- JRA調教師から推薦してもらった人
などの人たちがJRA厩務員を志し競馬学校の入学試験を受けに来ます。
ここでは競馬学校を受験しにくる人はどこで学び受験に挑むのかを、これからJRA厩務員を目指す人に向けて紹介します。
自分にあった学び方を探すヒントにして下さい。
一般からの受験
一般からの受験は、ほとんどの人が独学で学ぶことになるのではないかと思います。独学の場合のメリットは低コストで尚且つ自分のペースで学ぶことができるので、費用を抑え、自分ペースで学びたいという人には最適ではないかと思います。
しかし、後ほど紹介しますが、競馬学校厩務員課程の受験資格には騎乗経験などの条件があり、試験内容も実技がありますので、そこをクリアするには一般からの独学だけで挑むのは険しい道のりになりそうです。
専門学校からの受験
競馬学校の試験に備えるには専門学校に入学することが一番です。
独学と比べれば、費用はかなりかかりますが、受験に備えた実技や知識の勉強ができるので、競馬学校への入学の可能性をお幅に上げたい人はかなりオススメです。
また、受験の為だけでなく、専門学校で学んだことはこれから先、何らかの競馬に関わる仕事をしていく上での基盤となるでしょう。
競馬学校受験に力を入れている施設をまとめましたので参考にしてください。
●アニマル・ベジテイション・カレッジ
【学校紹介】
騎手、厩務員、乗馬インストラクター養成の各コースで、それぞれの夢の実現をサポートしてくれる。その他のコースとしては、短期間集中型の専攻科、小中学生や社会人が働きながら学べる選択科など多彩なコースを設置し、いつからでも学びをスタートできます。
また、ホースマンとしての専門知識や技術の習得に加え、人間力の養成を重視したカリキュラムを展開しています。
また、希望をすれば一般の高等学校卒業資格も取得できるサポートもあるので安心です。
●東関東馬事高等学院
【学校紹介】
東関東馬事高等学院では全寮制で人を育て、社会人として生きる力を身に付けることができる学校です。
学科は騎手受験特別コース、競走馬の育成コース、高校乗馬活躍コースの3つに分かれます。騎手を目指す人、厩務員や牧場職員を目指す人、馬術選手を目指す人、それぞれの目標に見合った学習スタイルが見つかります。
●インターアクションホースマンスクール
【学校紹介】
インターアクションホースマンスクールは、騎手・厩務員・牧場・乗馬クラブへの就職を目指すための学校、高校です。緑に囲まれた、競馬の牧場「ナリタファーム」内に完備された学校施設、学生寮という環境の中、経験豊富な講師陣、特別講師の現役JRA騎手、調教師、元騎手から、技術と知識を学ぶことができます。「高校課程」は、高校卒業資格を修得でき「2年課程」「1年課程」は、原則として高卒者を対象とし、5名以下の少人数制で、中身の濃い充実した授業を行うことで、騎手、厩務員、乗馬インストラクターなどのプロのホースマンを目指します。
●国際馬事学校
【学校紹介】
国際馬事学校はJRA美穂トレーニングセンターが近くにある、茨城県稲敷市にある馬の学習をするには最高な学校です。学校名の通り、日本だけではなく、国際的にも通用する優秀な人材育成を目的に設立された学校です。
学習コースは、騎手養成コース、厩務員養成コース、インストラクター養成コース、牧場職員養成コースの4つに分かれますので、それぞれの興味や目標にあった学習スタイルを選択することができます。
NAR(地方競馬全国協会)厩務員からの受験
受験生の中にはNAR厩務員で数年経験を積んでから、JRA厩務員を目指すために競馬学校を受験する人もいるようです。
NAR厩務員は未経験の人でも雇ってもらえる厩舎が多く、そこに就職できれば手っ取り早く経験を積むことができます。初めから現場で働きながら経験を積みたいという方はこちらがオススメです。
厩舎の求人で出回っている情報は全てNAR(地方競馬)に関わる厩舎ばかりなので、一度探してみてはいかがでしょう。
JRA調教師からの推薦
競馬学校には「調教師推薦制度」というものがあり、通常とは違い別ルートからの受験する特殊なルートです。
この推薦を受けるには、例えば
というわけです。
働きながら経験や知識を高められるのでかなり効率の良い方法です。ただ調教師さんと親しい中になる必要がありますので、コミュニケーションをしっかり取る必要があります。
JRA競馬学校【厩務員課程の募集要項】
募集人数
10月生、1月生それぞれ15名程度
注記:10月生、1月生の最終的な振り分けは競馬学校で決定いたします。
受験料
応募資格
学力 | 競馬学校入学時に中学校卒業以上の学歴を有する者、又はこれと同等以上の学力を有すると認められる者 |
健康状態 | 厩舎従業員として業務を行うのに支障がない者 |
騎乗経験 | 競走馬・育成馬・乗馬の騎乗経験が1年以上であって、単独騎乗による3種の歩法(常速、速歩、駈歩)ができる者 |
その他 | ●以下のいずれにも該当しない者 ・破産者で復権を得ない者 ・禁錮以上の刑に処せられた者 ・競馬法、日本中央競馬会法、自転車競技法、小型自動車競走法又はモーターボート競走法の規定に違反して罰金の刑に処せられた者 ・法令により競馬に関与することを禁止又は停止されている者集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則第1条各号に掲げるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者 |
試験内容
一次試験
一次試験は千葉県の競馬学校、滋賀県の栗東トレーニングセンター、北海道の新ひだか町公民館・コミュニティセンターの3会場で行われます。
試験内容は
- 身体検査(体重測定含む)
- 運動機能検査
- 学科試験〔一般教養(漢字読み書き、社会)、競馬一般〕
- 学科試験の過去問は過去5年分を競馬学校から取り寄せることができます。
●二次試験
試験内容
- 身体検査(体重測定)
- 騎乗適性検査(部班運動)
- 本人面接(「騎乗適性検査」で成績上位であった受験者のみ)
「騎乗適性検査」では、スリーポイントおよびツーポイントが行われますが、鞍は調教鞍(調教の際に使用される鞍)が使用されます。
JRA厩務員として働こう


ここでは競馬学校に入学卒業した後、どのようにして厩務員として働くのかを解説します。
JRA厩務員になるには?
JRA厩務員として働くには、JRA競馬学校を卒業する必要があり、日本調教師会が実施する採用試験を受ける必要があります。そして、採用試験に合格すると、「厩舎の経営者、つまり調教師個人と雇用契約を結ぶ」という制度になっています。
その他に条件は特にありませんが、JRA競馬学校を卒業したからといって同時に雇用関係が生じるわけではありません。
また、厩務員に空きがない場合は一時待機になることもあります。欠員を待つあいだに、臨時厩務員として雇用される場合もある模様です。
とにかくJRA競馬学校という高い壁をまずは越えることが重要なポイントとなることは間違いないでしょう。
まとめ
如何でしたでしょうか?
これだけ読むと、「大変そうだなぁ〜」と思う人もいるかもしれません。
しかし、「JRA厩務員になりたい!」「夢を掴みたい!」という気持ちがあるのなら、その気持ちを忘れることなく、大きな夢と希望を胸に、失敗しても何度も挑戦する諦めないど根性で、この記事を読んでくれた方が勇気を持って挑戦しくれることを願います。
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